株式銘柄はケイプで選別せよ

株式銘柄はケイプで選別せよ

株式銘柄はケイプで選別しよう

復興需要で企業業績拡大が期待できる。市場は3月期決算企業の第2四半期決算発表で、今期の企業業績を見極めようとするだろう。しかし、第2四半期決算発表を確認してから動くよりも、先んじた投資行動が妥当だろう。

 

では、どのような銘柄に投資すべきか。3ヵ月前にも取り上げたが、再度、シクリカリーアジヤステッドPER(株価収益率)に注目したい。

 

ベンジヤミンーグレアムが開発した指標で運用業界ではCAPE(ケイプ)と親しまれた指標。なぜ、今ケイプを使うべきか。それは、震災の影響で個人消費などの需要と、企業の供給の予想が難しくなっているため、企業の利益予想の確度が低下しているからだ。一方、過去の利益の平均は、おおむねその企業の将来の利益の目安としても使える。

 

ケイプの利益の算出は過去10年間の税引き利益÷売上局(税引き利益率)に、直近の実績売上局を乗じる方法がよい。これにより過去10年間の企業の規模の変動なども調節できるメリットがある。ところで、ケイプだけで魅力的な銘柄が選べるか。じつは注意点がある。それは、足元で世界景気に不透明感が高まってきたことだ。

 

たとえば、将来の世界景気の伸びの鈍化で、期待されていた利益より落ち込む可能性があるならば。ケイプベースでの魅力が将来、低下する可能性は否めない。こうした現象を運用業界ではバリュートラップと呼んでいる。株価が下がってPERが割安となりバリュー銘柄と思っていたら、じつは、その後、利益がさらに低下し、その利益で算出したPERは割安とはならないという現象である。ではバリュートラップをどのように防げばよいか。

 

ケイプベースで魅力的な銘柄である。これに、バリュートラップスコアも付した。スコアが6以上の銘柄は、トラップの危険性が小さいものだ。

 

@損益分岐点比率(足元の企業の売上局の水準が高く利益を生みやすい体質である)がよい、
A業績の変動が小さい、
Bアナリストの利益予想が上方修正の方向にある、

 

という三つの基準でスコアを作った。それぞれ3点が最高得点で9点が満点となる。そこから、足元の株価の下落が大きくない銘柄を最終的に選別する。バリュートラップに陥りにくいケイプ銘柄に注目したい。今後の日本経済をけん引するのは、Andoroidやiphoneなどのスマートフォン市場、とりわけソフト面がすすんでいるiphoneアプリ市場だろう。

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